上木「私はずっと個人店の応援団でありたいです。1対1で向かい合って仕事をするのが好きで。無立地×小規模でも、儲かる店に仕上げます。

waura10この和浦酒場はかなり前に手掛けました。以前は住居ということだったので、キッチン周りが気になりましたが、この電車のガタンゴトンという音がどこか懐かしくて良いなと思いました。

私は立地を見る時に経営者との相性を大事にします。三浦さん(和浦酒場のオーナー店長)はBARも経営していたので、そこでの実績があるならここで花を咲かせられると思いました。

waura07上木氏はおもむろにショップカードを取り出して、参加者全員に配る。そして意見を聞く。

上木「ダサイというイメージや子供が書いたような字というイメージですね。その親しみやすいイメージプラス、“酒場”という一言で気軽に来られるというイメージを持たれたみたいですね。まさにそこが狙いです。和浦は浦和を逆にしただけですが、そのシンプルさがいいのです。」

そして参加者の「おいちい」経営者の話に。

上木「おいちいは以前“とり広”という名前でした。当時の客層は40-60歳くらいが多かったのですが、店の前の通りを若い人がいっぱい通るので、その若い人向けの店にしようと“おいちい”に名前を変更したのです。すると18-30歳がコアの層となり、繁盛し始めました。それだけ名前やショップカードは大切だということです。

三浦「うちは肩書きをKOME,MIZU,SAKEとしました。最後に酒を持ってくることでご飯を楽しめる=和むという雰囲気を出したかったからです」

waura09上木「この和浦酒場の内装はモダンでお洒落はダメ!という方向性でした。地域密着型で、ヘビーユーザーを獲得したかったからです。都心の大型店では1回転すればOKですが、座席数が少ないので、2回転はさせなければと考えました。

18~20時にこの近くで働いて帰る人たち、20~22時でこの場所に帰宅してきた人たち、22~24時で残業組、24~ラストで地元の同業者が集まる場所として」
三浦「そうですね。うまく2回転以上はしていると思います。開店当初は女性が多かったのですが、いまは男性のお客さんも獲得できるようになりました。

当初は料理が無国籍だったのです。それではダメだと、刺身にこだわり始めました。とはいえ、お客さんは頼んでくれません。だから『今日はどの魚が入りましたよ?』と、ひとこと声を掛けるようにしたんです。そうすることで、この店は刺身に力を入れているのだということが伝わり、男性客を獲得できるようになったのです」

上木「そうでしたか。そういうことが大事です。従業員は何人ですか?」

三浦「4人です。年中無休で、私自身は半分お店に出ています。売り上げは450万円です。ちなみに家賃は15万7千円です」

waura01上木「一人あたり100万円とみて、400万円の売り上げが欲しいですから儲かっていますね。ここの内装は三浦さんから全て私たちに任されました。

気取ったインテリアでなく、椅子は低くして居心地を良くし、厨房もオープンにして使いやすく。現在、9坪で23席というキャパで売り上げているのです。

繁盛店の方程式は、オーナーの情熱×従業員の人間力×もてなしの料理=個店力となります。スタッフ=チーム、その全員が同じ思いで全力投球していないといけません」

三浦「和浦酒場の経営方針は『和浦酒場は思いやりです』です。お店を始める前に『今日はどういう思いやりを持って臨むか?』をスタッフに問いかけます」

上木「経営者が自身の情熱を語り、スタッフが同じ思いになるようにすることは大切ですね」